ネタばれもある映画紹介

タイトルは五十音順です。500本は観てると思うんですがさすがにいちいち
書いていくのは面倒なんで、印象深いのと最近観たごく一部のメジャータイトルだけ。
気が向いたときに少しづつ増やしていこうと思います。


映画名 ★(0〜5) 評価など
監督名

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アイ・アム・サム ★★☆
2.5
スタバで働く知的障害者のサムが養育権をめぐって法廷で戦う父娘愛を描いた感動物語。サムが人並みはずれた人格者であることが前提で初めて成り立つ物語なので現実感は無いが、話が明快でテンポがいいので観やすい。キャスティングも良い。女弁護士役のミシェル・ファイファーがかわいい。
ジェシー・ネルソン
アメリカン・ビューティ
1999年アカデミー5冠。期待はずれという点では「ワイルド・ワイルド・ウエスト」といい勝負。盛り上がりも感動も無い。バラのシーンも安いし何がビューティなのかが最大の謎。これほどいい所なしの凡作も珍しい。アメリカの家庭事情を反映している作品なので全く響くものがないのか。それにしてもひどい。
サム・メンデス
アルマゲドン ★☆
1.5
その年の最低だった映画に贈られるラジー賞で1999年の主演男優賞を受賞した作品。石油採掘工がNASAの依頼で宇宙に飛び立ち隕石を破壊して地球を救う話。幼稚だし、ツッコミどころ満載の設定だけれど、このバカっぽさはちょっと好き。いいねぇ、ドリル。吹き替え版はロック・ハウンドの声を我修院達也が充てているので更に星0.5プラス。
ジェシー・ネルソン
海の上のピアニスト ★★★★☆
4.5
『ニューシネマパラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ監督作品。時間にして人の一生くらいのスパンを描かせたらこの人の右に出る者はいない。印象的なシーンも多い。「僕にだって夢はあったさ。でもそいつは舳先と艫のあいだに収まる夢だった」 ひとつだけ難を言えば、ラストは敢えて直接的なシーンを描かずに静かに終わってほしかった。ちなみに1900役のティム・ロスはピアノを全く弾けないそうです。
ジュゼッペ・トルナトーレ
8Mile ★★★
2002年アカデミー歌曲賞受賞。今流行の米国人ラッパー、エミネムのメジャーデビュー前の実話に基いた物語。よくあるアーティスト人気便乗型の映画かと思いきや、よく作りこまれていてラップそのものについて非常に解りやすく描かれている。ラップが好きな人には好まれがちで、嫌いな人にはとことん嫌われる映画。特に若者受けしそう。
カーティス・ハンソン
エリザベス ★★
女王エリザベスの生涯を描く。若かりし頃の女性的な面のみクローズアップされていて肝心な政治的部分の描写が非常に乏しい。豪華絢爛な衣装、セット、女王の迫力には圧倒される。まるで絵画を実写化したように王宮の雰囲気をここまでリアルに再現した映画を他に知らない。同年公開の「恋に落ちたシェークスピア」とよく比較されるが俺はこっちの方がまだ良かった。
シェカール・カプール
L.A.コンフィデンシャル ★☆
1.5
1997年アカデミー2冠。前半がごちゃごちゃしていてラッセル・クロウとケビン・スペイシーの役回りを混同しがち。単細胞のバドとエリートタイプのエドがいいキャラなので、初めからこの2人を中心に据えて解りやすく物語を構成したほうが良かった。受賞した助演女優がエドのキャラを損なっている気もする。
カーティス・ハンソン
オーシャンズ11
11人もいらない。盗みに入るまでが無駄に長い。時間が押してた等の制約の中で取りあえず撮りきったというような。そんな素人感がある作品。不眠症の人にお勧め。
スティーブン・ソダーバーグ
神に選ばれし無敵の男 ★☆
1.5
2001年独映画。ナチス占領下のユダヤ迫害を変わった視点から描いた作品。このユニークな方向性の脚本は非常に評価できる。ただ主演のキャスティングミスで大きく星を下げている。ハヌッセンという役回りがティム・ロスには小さすぎた。逆にその格差でジシェ役のヨウコ・アホラの存在感が体の割に小さく、全く感情移入できない。途中までは良かったのだが最後のほうはティム・ロスの名優ぶりが逆に仇となって納得のいかない流れになる。
ヴェルナー・ヘルツォーク
ギャング・オブ・ニューヨーク
冒頭は期待の持てる雰囲気だったのだが、中盤、ラストに向けてどんどんつまらなくなっていく映画。脚本も役者も陳腐。ラストは無感動。ニューヨークの浅い歴史を垣間見ることができる。
マーティン・スコセッシ
CUBE ★★☆
2.5
罠の張り巡らされた立方体の部屋で延々と構成される不思議な世界からの脱出を図る。ユニークな知的サスペンス。独特な緊張と雰囲気を楽しめる。最後までCUBEの謎は明かされていない。最後に生還したのはやはりあいつだった。
ヴィンチェンゾ・ナタリ
グラン・ブルー/グレート・ブルー完全版 ★★☆
2.5
当時存命中だった故ジャック・マイヨール氏をモデルにした映画。素潜りで最深度の潜行記録に挑む男達の物語。物語として地味な上に感情移入しにくいが映像が秀逸。監督自身の海への憧憬がよく解る。ただ、やはり脚本が題材負けしている感は否めない。色々な意味で青臭さがいい。タイトルもいい。色々な意味で。
リュック・ベッソン
グリーンマイル ★☆
1.5
ショーシャンク同様、スティーヴン・キング原作の映画化。不思議な力を持つ心優しい大男コーフィをめぐる死刑囚と刑務官の感動物語。ファンタジー色の演出が強すぎ。電気椅子のシーンが長くて不快。撮影で使われた鼠にとってのリアルグリーンマイル。
フランク・ダラボン
K-19 ★☆
1.5
史実に基いて、冷戦時代の原潜内の乗組員と放射能漏れ事故を描いた作品。事故の遺族から事実と異なる部分があるとクレームがついた話は有名。最初に錯乱する乗組員が大根すぎる。船長は人間味溢れるさりげなさでもっと安全圏内にいるべき。かっこつけて踏み込みすぎなヒーロー撮り。あれで無事なわけがない。そのためか感動がいまひとつ薄かった。
フランク・ダラボン
ゲーム
金持ちの考えた誕生日プレゼント「ゲーム」。詳しくは書けないが、オチが禁じ手に近い。そこらへんが所詮フィンチャー。兄の行動次第で重大な刑事事件に発展というストーリー設定上の大きな破綻も見られる。
デヴィッド・フィンチャー
恋に落ちたシェークスピア ★☆
1.5
アカデミー7冠。劇作家シェークスピアの若き青春の日々を描く。衣装やセットが小綺麗な割に画面からは時代感がちゃんと出ていて隙が無い。かなりのお金がかかってそう。劇中劇等、だるそうに思える部分を上手く詰め込んでいて脚本にも隙が無い。ただそれは上手く作られているというだけで、映画として面白いかどうかはまた別の話。
ジョン・マッデン
ザ・ワン ★☆
1.5
ジェット・リーがマトリックスの出演を蹴って選んだ作品。平行宇宙に存在する自分を殺して力を吸収し、全能の存在を目指すユーロウ。八卦掌を使う自分と形意拳を使う自分が戦うのだが、逆に言えば125人中残り2人というところから実質的な話が始まっているのが残念。むしろ数人がその座を狙っている感じにして銃火器や前置きを省き、様々な使い手としての自分を数種類登場させたほうが良かった。
ジェームズ・ウォン
シカゴ ★★★
2002年アカデミー6冠の明るくポップなミュージカル映画。振り付けの神様ボブ・フォッシー原作の映画化。作品としての完璧性の高さでは他に類を見ない。内容そのものよりこれを作ったというのが凄い。ミュージカル嫌いな俺も飽きることなく観ることができた。ミュージカル好きの人なら5つ星かもしれない。
ロブ・マーシャル
シックス・センス
テントの部分だけちょっと怖いけど全体的にあまり心臓に悪くないライトホラー。むしろ感動を誘うような作りになっている。少年の視覚を通したCG多用の世界観はいいが一気に出しすぎ。その後がかなり眠い。ラストの構想そのものはいいんだけれどレッド・へリングに力を入れすぎたせいか、構成の悪さで逆にチープなオチに思えた。
M・ナイト・シャマラン
シャイン ★★★★
アカデミー主演男優賞。演奏の演技が素晴らしい。実在の天才ピアニスト、デヴィッド・ヘルフゴットを描いた感動作。父との確執で精神を病んでいき崩壊していく様を描く。年表を見ると実際は、精神崩壊の直接因子は薬物療法の失敗とその依存によるところが大きいように見受けられるので事実とは多少異なるが脚本としては秀逸。この映画で初めてラフマニノフの3番という楽曲の存在を知った。
スコット・ヒックス
ジャンヌ・ダルク ★☆
1.5
画面は綺麗だし人も多くてセットも大掛かり。金はかかってそうだがジャンヌの『人間性』に着目しようとする趣旨のあまり普通の女性になりすぎてそのカリスマに説得力がない。だからジャンヌの神性が微塵も出ておらず感動もない。そもそも主演女優の魅力を引き出せていないので感情移入できないのが致命的。
リュック・ベッソン
小説家を見つけたら ★★★★
ジェームズ・W・エリソン原作の映画化。ショーンコネリー演じる引きこもりの伝説的な老小説家と、才能あふれる黒人青年との友情と師弟関係を描いたハートフルストーリー。音楽も良いです。
ガス・ヴァン・サント
少林サッカー ★★★☆
3.5
もう大好き。
チャウ・シンチー
ショコラ
0.5
閉鎖的な片田舎にチョコレート屋さんを開業する女性の物語。あまりに平板でスモールスケール。展開のだるさに早回しを多用してたら、もう終わってました。
ラッセ・ハルストレム
ショーシャンクの空に ★★★★★
無冠ながら素晴らしい名作。原作はスティーヴン・キングの『刑務所のリタ・ヘイワース』。冤罪により服役する銀行員を中心に刑務所の人間模様を描いた感動的な作品。
フランク・ダラボン
シンドラーのリスト(前・後) ★★★★★
1993年。アカデミー7冠。T・キニーリー原作の映画化。ナチス占領下のユダヤ人迫害を描く。前編で既に泣いてしまい、後編の死体の山で号泣して、観終わった後も数時間は思い出し泣きして涙が止まらなかった。ゲームで言えばドラクエのようなスピルバーグ作品に高い評価をつけるのは抵抗があるんだけどこの作品はケチのつけようが無い。こんな大作を『ジュラシックパーク』と併行して製作したというのがまた腹立たしい。
スティーブン・スピルバーグ
スタンド・バイ・ミー ★★★☆
3.5
スティーヴン・キング原作の映画化。中学生のときに観て共感できずにジェネレーションギャップを感じたが、年を取ってから最近改めて観てみるといい映画だった。ベン・E・キングのナンバーがそのままタイトルになっている。超有名なアメリカンボーイズのノスタルジック青春映画。
ロブ・ライナー
ストレイト・ストーリー ★★★
ロードムービーといってしまってよいのだろうか。仲違いして十数年。病気の兄に会うために老人が時速わずか数キロの農耕用改造トラクターで旅に出る。スローライフ・スロームービー。ほのぼのします。時間に余裕があるときに観ましょう。
デヴィッド・リンチ
スリーピー・ホロウ ★★
2000年アカデミー美術賞。1989年に同じく美術賞系でアカデミー2冠に輝いた「バットマン」の監督。指輪物語に出てきそうな首無し騎士の物語。彩度を抑えたモノクロに近い感じのエフェクトで絵画を切り取ったような幻想的な画が、独特の雰囲気を醸しだしている。ストーリー性はあまり無いかな。
ティム・バートン
セブン ★☆
1.5
サスペンスという割に中盤を少し過ぎたあたりでラストにいたる展開がほぼ読めてしまう作品。後半は、その筋書きの肉付けがどうなされているかを楽しむという確認作業になり、ダークな映像で期待を盛り返すも「怒り」(Wrath)の人物は自殺しないので7つの大罪が完成しておらず、そこでまたモヤっとボールですよ。モヤっと。モヤっと。
デビッド・フィンチャー
ソード・フィッシュ ★★★
円熟味を増したジョントラボルタと旬の女優ハル・ベリー出演のいわゆるカッコイイ映画。現代版ルパン。マトリクスの撮影技術を応用した複数カメラの同時撮影による冒頭の爆発シーンは圧巻。中盤がやや冗長。PC画面がしょぼい。暴発の可能性を考えるとリュックの威力が意味不明にリスキー。ビルからの脱出法などもそうだが設定に細かいところで無理がある。ラストにどんでん返しがあるが撮り方は上手い。主演のガブリエルの思想はさりげない米国対外政策への問題提疑になっている。
ドミニク・セナ
戦場のピアニスト ★★★☆
3.5
2002年アカデミー3冠、カンヌではパルムドール(最高賞)受賞。実在のピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンの実話に基づいたナチス占領下の物語。監督自身、大戦下にユダヤ人居住区で暮した経験を持ち、現在は欧州へ亡命している逃亡犯という異色の経歴を持つ。
ロマン・ポランスキー
ダンサー・イン・ザ・ダーク ★★★☆
3.5
2000年カンヌ映画祭最高賞(パルムドール)&主演女優賞受賞。観る人によって賛否が真っ二つに分かれる映画。不条理なトラジディを描く。プレス機と盲目の女性という危なっかしい組み合わせが観る者の心理を不安定にさせて巧妙。陰鬱だが引き込まれる。意味不明なミュージカル要素が無ければ星4つだった。主演のビョークの音楽自体は良い。
ラース・フォン・トリアー
チョコレート ★☆
1.5
表題は肌の色を暗喩したもので人種差別を取り扱った作品。この映画でハル・ベリーが2001年に受賞したアカデミー主演女優賞は皮肉にも有色人種で史上初として一躍話題になった。重いテーマの割にラブシーンが濃厚すぎて人種問題というよりほとんどハル・ベリーのHビデオになってしまっている。実にけしからん。だがそれがいい。
マーク・フォスター
デスペラード ★★★★
700ドルで製作されたロバート・ロドリゲスの処女作『エル・マリアッチ』の、自身によるリメイク。内藤泰弘の「トライガン」をファンタジー面排除で実写化したような感じ。良い意味での馬鹿っぽさに加えて主演のアントニオ・バンデラスのキャスティングも良い。交遊のあるクェンティン・タランティーノも少しだけ出演、最近では逆にロドリゲスがタランティーノの「キル・ビルvol.2」で音楽を担当している。
ロバート・ロドリゲス
時計じかけのオレンジ ★★★★☆
4.5
1971年公開。無冠の無軌道暴力映画。開放された絶対悪と抑圧する社会悪の両者の問題点を象徴的に描く。レッドアウトした画面がオレンジ色に変わっていくオープニングが全て。この映画を一番に推す人とはあまりお友達になりたくない。
スタンリー・キューブリック
トレイン・スポッティング ★★
アーヴィン・ウェルシュ原作の映画化。ドラッグに溺れる青年の無軌道な生活を描いた青春映画。英国色の強いパンクな作品。若者達のぐだぐだっぷりがいい。
ダニー・ボイル
トレーニング・デイ
0.5
アカデミー主演男優賞受賞。新米警官と年配汚職警官との単純な勧善懲悪もの。汚職警官としては解りやすい立ち居振る舞いで、観ている側には善悪が解りにくいという意味のわからない演出。汚職警官で勧善懲悪モノという陳腐な作品になるのをそうすることでごまかした感じ。鼠でかろうじて0.5。
アントニー・フュークワー
ニュー・シネマ・パラダイス ★★★★★
1989年アカデミー外国語映画賞受賞。一番好きな映画。刻々と遷ろう人生と郷愁。小さな歴史と時間の詰まった名作中の名作。。
ジュゼッペ・トルナトーレ
ノッキング・オン・ヘブンズ・ドア ★★★★
ドイツ映画。自らの余命が幾許も無いことを自覚した2人が人生の最後に望んだこととは。ラストのシーンで静かに感動できる作品です。
トーマス・ヤーン
π(パイ) ★★★
数字に取り憑かれた男の狂気を描いた作品。モノクロで構成されていて陰鬱な内容なので観る人が少し限られるミニシアター系。独特な切れ味鋭いセンスがいい。これと『ビューティフルマインド』を足すと丁度良くなるのかもしれない。
ダーレン・アロノフスキー
バッファロー66
0.5
ヴィンセントギャロの監督としての処女作。むしろ、映画自体がプログレ。技術的には専門学生レベル。勘違いしている人に受けそうな作品。雰囲気だけは良かったのでかろうじて0.5。
ヴィンセント・ギャロ
パルプ・フィクション ★★★★★
1994年アカデミー脚本賞。カンヌではパルムドール(最高賞)を受賞。他、数々の批評家協会賞を総なめにしているタランティーノ作品の最高峰。ジョン・トラボルタ、ユマ・サーマン、ティム・ロスなど俳優陣も超豪華。サウンドもかっこいいです。
クェンティン・タランティーノ
ハンニバル
羊たちの沈黙の続編。前作より約10年の沈黙を要したトマス・ハリスの原作の映画化。原作を読んで悟ったのかは定かでないが映画化決定と同時に前作の監督と主演女優が相次いで降板。今作はレクターの怪物性に焦点を当てすぎて絶妙な狂気のバランスが崩れてしまっている。欠落した人間の悪性を上手く描けていない。
リドリー・スコット
ピアノ・レッスン ★★☆
2.5
1993年アカデミー3冠、パルムドール(最高賞)受賞。口のきけない人妻がピアノを返してもらうために男にピアノのレッスンをするという話ですが、綺麗なピアノの調べに乗ってどこか悲哀のある芸術的なエロスが展開されます。内容的にはほとんどHビデオです。実にけしからん。だがそれがいい。
ジェーン・カンピオン
羊たちの沈黙 ★★★★☆
4.5
1991年アカデミー5冠。トマス・ハリスのベストセラー小説を映画化したサイコサスペンス。女FBI捜査官が猟奇事件解決の助言を元精神科医の囚人ハンニバル・レクターに求める。レクターが対価として求めたのは彼女という人間の本質を知るための彼女の心の奥底にある心的外傷だった。この映画の2年後にナイトの称号を得た俳優、殺人鬼レクター役のアンソニー・ホプキンスの存在感は他に類を見ない。浦沢直樹の「MONSTER」などはこの映画をオマージュしたものと思われる。
ジョナサン・デミ
ビューティフル・マインド
アカデミー4冠作品。ノーベル経済学賞受賞の天才数学者ジョン・F・ナッシュを物語化。題材は面白いのに天才性も狂気も掘り下げておらず映画は凡庸。大学教授が敬意を表してペンを置いていくシーンが印象的だったのでかろうじて星1つ。
ロン・ハワード
ファイト・クラブ ★☆
1.5
着想は面白かった。主演にブラッド・ピットを据えたキャスティングも良い。ただ、脚本が竜頭蛇尾。物語の展開が後半に向かうにつれて、どんどん微妙になってくる。変に奇をてらったオチを付けなくても良かったんじゃないの?そこらへんが所詮フィンチャー。ほとんど注目されないがこの映画のさりげないワンカットが、当時のスタバの日本市場進出の大きな足がかりとなっている。
デビッド・フィンチャー
ファーゴ ★☆
1.5
1996年アカデミー2冠。構えて観ると肩透かしを食らう。成り行きを、あらあらという感じで観守っていく感じ。事件担当警官が妊婦という時点で厭な予感満載だが実はこの設定には何の必然性も無かったり。ほのぼのした雰囲気でも演出したかったのだろうか。コメディタッチな部分も多いがアメリカンセンスで特に面白くない。背後からの襲撃シーンがやけにリアル。志村うしろー!
ジョエル・コーエン
フルメタル・ジャケット ★★★★★
1987年公開。ベトナム戦争を描いた作品。無冠だが巨匠キューブリック監督の代表作としても最初の方に名前が挙げられる名作。あらゆる面で評価が高い。一見、不道徳な娯楽映画のようにも見えるがラストシーンでかかるミッキーマウスマーチなど、大国主義への反戦メッセージも計算されつくしている。
スタンリー・キューブリック
マルコヴィッチの穴 ★☆
1.5
1999年公開。アカデミー無冠だが何部門かにノミネートされた作品。ユニークを通り越して少しマニアックな感もある。どちらかというとミニシアター系。2004年流行語大賞ノミネートの「中二階」を先取りした映画。二階じゃないけど。日常の中の非日常。パラレルワールドの不条理な笑い。
スパイク・ジューンスン
ユージュアル・サスペクツ ★★★★
95年のアカデミー2冠作品。前半の展開に十分な説明が無く意味がよく分からないかもしれないがそこは我慢して流して観よう。観ているうちに解ってくる。ラストでこれぞサスペンスという大どんでん返しが待っている。そしてそれを踏まえてもう一度、最初から観て楽しめるという、一粒で二度美味しい映画。
ブライアン・シンガー
ラン・ローラ・ラン ★★☆
2.5
98年の独映画。途中で実写が何度かアニメーションに切り替わったり、同じ場面を「もし、こうだったら・・・」と条件を変えて数度繰り返したり、斬新な試みを取り入れた新感覚映画として公開前に話題になった。公開後は騒がれなかったのでどうやらコケたっぽい。でもまぁ、スピードとテンポが良くてそれなりに面白かった。「新感覚」を念頭において観るといいかも。
トム・ティクヴァ
レオン/完全版 ★★★★
殺し屋と少女の物語。キャスティングの成功と、観せる事を重視した構成とテンポのよさでベッソン作品の中では商業的に最も昇華している作品。グランブルーでブレイクしたジャン・レノの人気を不動のものにした。マチルダ役のナタリー・ポートマンは数年後にスターウォーズでアミダラ役を演じ、俳優業を続けつつハーバード大へ進学して心理学を修めたという才女。
リュック・ベッソン
レザボア・ドッグス ★★★★
クェンティン・タランティーノの監督としての出世作品。彼は無類の映画マニアでゴダール好きとして有名だがこの作品はキューブリックの『現金に体を張れ』の影響が見受けられる。他にはジャン・ピエール・メルヴィルの影響も大きい。タイトルの意味についてはあまり知られていないがルイ・マイの『さよなら子供たち(Au Revoir les Enfants)』という作品名の聞き違えから構想を得たもので特に意味は無い。
クェンティン・タランティーノ
レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード ★★★☆
3.5
『デスペラード』の続編。映画マニアなタランティーノの趣味に走った『フロム・ダスク〜』の脚本のおかげで『デスペラード』以降、順調に作品の評価を下げてきたロドリゲスだが、これは続編にもかかわらずデスペラードのときの良さがよく出ている。痛快さが前作よりやや少ない分、多少評価は下がってしまうが、かなり遜色なく楽しめる。CIA捜査官役のジョニー・デップの存在がまた大きい。
ロバート・ロドリゲス


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